「ただいま!」と中学2年生が、夕方、スキー教室から帰ってきました。
2泊3日の団体行動・生活は、コロナのため小学6年生の移動教室が中止になってしまった中学2年生にとっては、待ちに待ったものではと想像していました。ところが、どうも感想はそうでもありません。
コロナの影響はスキー教室でもまだ強く、まず期間が3泊4日から縮小され、会話制限、マスクの着用などかなり制約があったことが原因のようです。移動のバスの中ではビデオ鑑賞、食事も黙食、夜も静かに寝なさいと…。
また、マスクを外すことへの抵抗感が強く、団体生活の難しさもあったようです。
とはいえ、帰ってきた中学2年生たちの表情には、「とても密で深い体験」を五感で味わったという満足感が漂っていました。
「団体生活」については、深か~い思い出があります。もう四半世紀も前のことですが…。
私(CASA代表の小沼)は、企業内学園(工業高校相当)の責任者(総括課長)として全寮制・計600名の生徒たちと汗と涙と笑顔にまみれた感動を共有した経験があります。着任初日に、寮生活を見に行きました。午後10時に点呼が済み、生徒たちが寝静まった頃、寮担当教諭から「さあ、行きましょう!」と声をかけられました。彼は、ロッカーを開け、何かを取り出し、右手に竹刀、左手に懐中電灯といういでたちです。あっけにとられつつ彼の後をついていくと、いきなりドアの上半分が透明なガラス窓から、懐中電灯で部屋の中を照らしました。むき出しのベッドで爆睡している男子高校生らしき布団の塊が4つ浮かび上がりました。多くが4人部屋でしたが、パーテーションも何もないのです。
各部屋を懐中電灯で照らし出し、生徒たちの在室確認をするという作業を終え教諭室に戻りました。私は、「お疲れさま」とねぎらいつつも、「思春期の少年たちのベッドをいきなり懐中電灯で照らすのは、あまりにもプライバシーが守られていないのでは…」と感想・疑問を投げかけました。
すると「我々の時代もそうでした。プライバシーなんて必要ないんです」との返答。この企業内学園の寮担当教諭や実技教諭は、学園を卒業して10年ほどたった20代後半~30代前半の元気な若者が中心でした。そのため、自分たちが受けた教育や寮生活について、全く疑問を持っていなかったのです。「私の投げかけた疑問」は、当初、「???」の状態で、約200名いた教員に全く相手にされませんでした。
しかし、そこから「ぼくらの家(うち)と呼ばれる寮」「生徒主役の寮生活」へ変貌していく経験談などもブログとして書いていきたいと考えています。
これらの経験が、「CASAワイワイ!」へとつながているのです。
小沼 好宏