いろいろな学校行事が、戻ってきました。近くの大泉第六小学校の6年生は、明日から長野県武石へ2泊3日の移動教室へ出かけます。大泉中学校、大泉第二中学校では、もうすぐ体育祭です。ここ数日、寒い日が続いていたと思っていたら、今日から気温がグッと上がりました。子どもたちには、体調管理に留意し、楽しい思い出を作って欲しいものです。
体育祭がらみで、「ウサギとカメの競争」の話です。走る能力では、格段に優れたウサギが、山の頂を目指した競争に負けてしまいます。ウサギの立場では油断大敵。カメの立場では足が遅くてもコツコツ努力をすれば勝利を得るという話です。実はこの「ウサギとカメ」の例え話は、国が変わればその内容・教訓が少しずつ違うそうです。
インドでは、ウサギは昼寝をしていて負けるのは日本と同じです。しかし、インドでは悪いのはカメなんです。「なぜ、起こしてあげなかったのか?」が非難の対象になるのです。「友だちなんだから、友だちを起こさないのはフェアープレーに反する」というのです。
フランスでは、ウサギはカメを先に走らせておいて、ゴール近くでサーッと追い抜いちゃえと考えます。ところが、スタートが遅すぎたために、カメに追いつくことができませんでした。教訓は、「スタートは早めに!きちんと計画を立てて!」という感じです。
イランでは、カメはゴール近くに自分とそっくりの弟を隠れさせておきます。どんなにウサギが速く走っても、叶うはずがありません。カメの立場からすると「戦略を立てて勝つ」、ウサギの立場からすると「意味のない競争をしてはいけない」となります。
こんなことを考えた子がいました。「カメが本気で勝負するなら、自分の得意な池をコースに加えるとか、頭を使わないと勝てないよ」と。このように同じことでも、「ものを見る視野・視座・視点」により、いろいろな解釈・考え方があります。
私は、「目標」「自分」「相手」という視点から考えました。その結果、日本のカメが好きです。日本のカメは、「目標」を見すえ、それに向かってコツコツと今の「自分」のベストを尽くしています。一方、ウサギは、「目標」ではなく「相手」を気にして「自分」を失ってしまいました。スポーツの得意な子も、ちょっぴり苦手な子も、「今」「ここで」「ベスト」を尽くし、体育祭でいい汗を流してください。勝っても・負けても、素敵な思い出ができる事でしょう。
小沼 好宏