6/12(月)の「朝のあいさつ」をしていると、小学2年生のY君が、「クワガタが道に落ちていて、みんなに踏まれそうだったから、横の高いところに置いて来たよ。ちょっと元気がなかったよ」との報告を受けました。「そうかぁ、クワガタを助けてくれてありがとう。大きかった?」と聞くと、「うん。ハサミも大きかったよ。どこから来たのかなぁ?」とY君。朝の通勤・通学の時間帯、みんなが足早に過ぎる中で、小さな命を見つけ、助けてくれたY君に、「クワガタもきっと喜んでるよ、いってらっしゃい!」と微笑みかけると、「行ってきまーす!」と元気に手を振りながら駆けていきました。
その数分後、小学3年生のJ君とO君が、「おっちゃーん! クワガタが道に落ちていて、死にそうだよ」とクワガタを掌に置き、駆けてきました。見るとかなり弱っているようです。J君の「これオオクワガタだと思うよ。CASAで飼おう。大きな虫かご持って来て!」との声に反応して虫かごを取りに走りました。最近は、脚・腰がかなり痛み、歩行もままならないのですが、この時は不思議と素早く動けました。虫かごに、枯れ枝・草・土を入れ、即興で住みやすいクワガタハウスを整えました。「さっき2年生のY君が、みんなに踏まれないように高いところに置いてくれたんだけど、また道に落ちちゃったんだね。かなり弱っているから、あまり長生きできないかもしれないけど、みんなで飼おう!」ということになりました。気がつくと、虫かごを囲む小学生の数は、10人を超えていました。「よーし、昆虫ゼリーも後で用意しておくから、みんな遅刻しないように、いってらっしゃい!」と子どもたちを見送りました。
翌日から、「朝のあいさつ」時に、CASA私道の入口に虫かごを置くと、小学生たちが「おーい、元気?」などと声をかけてくれた成果もあってか、クワガタの元気が戻って来たようでした(写真掲載)。「昆虫はニガテ!」と最初は虫かごに全く近寄れなかった子も、少々怖そうな表情ながらも遠巻きにクワガタを覗いてくれるようになりました。放課後にもクワガタのお世話に来てくれる小学生たちもいました。
クワガタ救出から7日目の今朝(6/18・日)、虫かごを覗くとクワガタは裏返しになり動かなくなっていました。11時過ぎにJ君がCASAに来てくれたので、一緒にクワガタのお墓を作りました。7日間の短い飼育でしたが、子どもたちにとっては貴重な経験になったことでしょう。まずは、道に落ちていた小さな命を救ってくれた少年たちの優しさを嬉しく思い、感謝です。次にみんなでそれを育てるという協力です。また、「オオクワガタかどうかも調べました」が「オオクワガタ」で正解でした。そして、命には別れがあるということです。今日、J君とお墓を作りました。明朝の「朝のあいさつ」では、みんなでクワガタのお墓で見送りをしたいと思います。
「元気になったクワガタ」「クワガタのお墓」の写真を載せておきます。
小沼 好宏