中学3年生は今、公民(社会)で「ルール」について勉強しています。その延長で、「学校のルール」についての話になりました。「必要ないルール」が、たくさんあると言います。「学校のルール」は、何らかの必要があり、その時の状況に応じ作られたもののはずです。「そのルール」が、「今、必要ないのでは?」と考えるなら、どうしたら良いでしょうか?
アメリカの神学者ラインホルド・二ーバー(1892年~1971年)の言葉に、覚えておいて欲しいものがあります。何かをやろうとする時に、とても深い意味・教えがあります。その言葉は、
「二ーバーの祈り」と呼ばれています。
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神よ、変えることができないものについては、
それを受け入れるだけの
「冷静さ」を与えたまえ。
変えるべきものについては、
それを変えるだけの
「勇気」を与えたまえ。
そして、それら2つを見分ける
「知恵」を与えたまえ。
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私たちはとかく、「変えられないもの」を無理に変えようと時間を無駄遣いしたり、逆に「変えるべきもの」を「変える勇気」がないために、改善・改革をするチャンスを逃がしてしまっています。それを見事に表現している言葉です。
「変える勇気」があった具体例を1つ。大相撲は、鎌倉時代にその起源があり、江戸時代に興業が始まりました。その伝統が長く引き継がれてきましたが、1952(昭和27)年の秋場所に大きな改革が行われました。「四本柱」を取り払い「つり屋根式」に改造したのです。その理由は、何だったと思いますか。それは時代への流れの対応だったのです。テレビ中継が行われるようになり、四本柱が目障りになったのです。また、1927(昭和2)年にはラジオ中継が始まっていますが、それまで制限時間がなかった立ち合いにも制限時間が設けられました。これらは、伝統によって守られてきたしきたり(ルール)ですが、お客さまという視点から「変えるべきもの」であると判断した相撲協会の大英断でした。
「学校のルール」については、生徒の視点から「変えるべきもの」もあるように感じています。子どもたちは、「冷静に」考えた上で、本当に「変えるべきもの」と判断したなら、「変えるだけの勇気」を持って、「行動」に移して欲しいと期待しています。CASAのシンボルマーク「ワイワイ!」には、みんなが「夢」を持ち、常に「心」を大切にし、すぐに「行動」しようという思いが込められています。
小沼 好宏