7月に入りました。今年(ウサギ年)も半分がピョンピョンと過ぎ去ってしまった感じです。CASAには8部屋ありますが、そのうちの5部屋に「ホワイトボード」を設置してあります。そのうちの1つ、「おーぷんドア」と名づけた部屋の「ホワイトボード」に芸術的な「黒板アート」が誕生していました。「黒板アート」とは、学校にある「黒板」をキャンパスにチョークを筆として、生徒たちの感情・気持ちを描く作品です。最近では高校の卒業式シーズンになると、何とも見事な芸術作品が誕生しているのがテレビなどで紹介され人気です。
その「黒板アート」がCASAの「ホワイトボード」に誕生したのです。下の写真のとおり「来春2024年の卒業」をテーマにしたもので、小学6年生の女の子が2人でわずか30分程で描きました。「ホワイトボード」にペンで描くのは、深い色合いやぼかしなどの表現が「黒板」に比べ制約されてしまうのに見事です。「何で来年3月の卒業がテーマなの?」と聞くと、「だってもうすぐ夏休みで、それが終わると2学期、それも過ぎると年が明けちゃうよ」とのこと。わかったような、わからないような理由ですが、彼女たちの中でも、時の流れがピョンピョンと速いと感じているのかもしれません。
「ホワイトボード」には、様々な効用があります。「ホワイトボード」を前にして、宿題を教えあっている姿、好きな絵を描いている姿、あるテーマについて話し合っている姿などの子どもたちの姿は、CASAでは自然の風景になっています。特に「のうとれルーム」と称する部屋には、「ホワイトボード」を2つ設置してあります。この部屋は、勉強はもちろん、いろいろなアイディア出しに活用しています。「ホワイトボード」に書き出すことは、次のアイディアを引き出してくれます。そして、出てきたアイディアをどう表現し、伝えるかがさらに大切になります。隣の「ぷれぜんルーム」には、「ホワイトボード」と「スポットライト」をセットで設置し、プレゼンテーション(発表)をできるようにしてあります。「のうとれルーム」の成果を発表し合ったりしています。子どもたちが、小さい頃から自分の頭で考え、それを相手に分かりやすく伝えるため形に描き、それをプレゼンする、そんなことを実践できる場をCASAは提供したいと努めています。
「2024年卒業」の「ホワイトボード・アート」は、「消さないでね!」という添え書きに守られ、もう少しみんなの目と心を楽しませてくれることでしょう。
小沼 好宏