今日、高校野球夏の甲子園大会が始まりました。4年ぶりの制約のない開会式をテレビで観ました。全選手が一堂に集まり行進する姿は圧巻でした。大会歌「栄冠は君に輝く」を歌手・俳優の山崎育三郎さんが、1番を独唱、2番・3番はブラスバンド部の演奏、合唱団と声を合わせ熱唱しました。始球式は、前侍ジャパン監督の栗山英樹さんが務めました。始球式のボールは、球場上空からヘリコプターで落下させたのですが、ボールを待つ2~3分の間、栗山さんはマウンド上の高校球児ににこやかに話しかけ、ボールを運んできた高校生にも声をかけ、さらにマウンドから帰る際にも相手チームの1番バッターに声をかけ握手をし、球場に一礼し去っていきました。その姿が自然で感動しました。山崎さんも、ブラスバンド部、合唱団への気遣いの姿があり、爽やかでした。
感動といえば、昨年の大会で優勝した「仙台育英高校」(宮城県)の野球部監督須江航さんの優勝直後のインタービューです。
「青春って、すごく密なので」というフレーズがすごく響いたという声は多く、マスコミにも取り上げられました。須江さんのインタビュー(抜粋)は、次の通りです。
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今日は、本当に斉藤がよく投げてくれて、でも県大会は投げられない中で、本当にみんなでつないできて、つないできて、最後に投げた高橋も、そして今日投げなかった3人のピッチャーも、スタンドにいる控えのピッチャーも、
みんながつないだ継投だと思います。
入学式どころか、たぶん、おそらく、中学校の卒業式もちゃんとできなくて、高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんですね。
青春って、すごく密なので、でもそういうことは全部「ダメだ、ダメだ」と言われて、活動していても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で、でも本当にあきらめないでやってくれたこと。
でも、
それをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、やっぱり全国の高校生のみんなが本当によくやってくれて、例えば今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう
目標になるチームがあったから、どんな時でもあきらめないで、暗い中でも走っていけたので、本当に全ての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、
ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。
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コロナ禍の最中、このインタビューが、感動を与えた要素は、たくさんると思います。須江さん自身、仙台育英の出身で、選手時代は「補欠の補欠だった。その時の経験が活きている」とおっしゃっています。経験に基づいた、「信頼できる人の言葉」には力があります。「三段激励」と題したブログ(2023.5.28)で
「人間の本物」(造語:すごい人間という意味)について書きました。今日の山崎さん、栗山さん、須江さんのような大人は、「人間の本物」です。CASAでも、私が学んだ「人間の本物」を少しでも子どもたちに引き継ぎ、伝えられるよう努めています。また、須江さんのインタビューの持つ「言葉の力」や「伝える力」ということも、CASAの中では大切にしています。
小沼 好宏