「球春」という言葉は、プロ野球のキャンプやオープン戦が始まる頃を指す言葉です。しかし私には、今日、甲子園球場で開幕した「春のセンバツ 高校野球」が、ピッタリきます。出場32校の選手たちの溌溂とした入場行進には、いつも元気を貰えます。「
球春到来!」です。今年は甲子園球場が、1924年8月1日に開業してから100周年の記念すべき年。「春のセンバツ」は、翌年の1925年に第2回大会を甲子園で開催して今年は第96回大会、戦争とコロナ禍での中止があったものの100年継続されているのです。
今年の選手宣誓は、青森山田高校の橋場公祐主将。次のようなお洒落な宣誓でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今ありて、未来も扉を開く。
今ありて、時代も連なり始まる。
1924年、第1回全国選抜中等学校野球大会として、
春のセンバツ大会が開催されました。あの日から100年。
われわれ高校球児の甲子園大会に対する夢や憧れは、
長年の時を超えても変わることなく、
今もなお、夢舞台であり続けています。
(中略)
私たちにできることは、目の前の白球をがむしゃらに
追い続けること、そして、全力で野球を楽しむことです。
今日から始まるセンバツ大会を次の100年へ向けた
新たな一歩とすべく、全身全霊をかけて
戦い抜くことを誓います。
今日までの100年、今日からの100年。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出だしの「今ありて、未来も扉を開く。今ありて、時代も連なり始める」は、「春のセンバツ」の大会歌「今ありて」(作詞・阿久悠、作曲・谷村新司)の冒頭の歌詞です。昨年10月に旅立った谷村さんを追悼しようと、開会式前に甲子園球場で歌う谷村さんの映像が大型ビジョンに流れました。
「野球」という言葉は、俳人・正岡子規が「baseball」を日本語にしたものです。子規が生まれたのは1867年ですから、「春のセンバツ」が始まる約50年前です。子規は他にも「バッター→打者」「ランナー→走者」「デッドボール→死球」「フライ→飛球」などの野球用語を日本語に訳しました。「球春」も、今では俳句の春の季語になっています。
人は言葉に、勇気づけられ・励まされ・癒され・慰められたりします。橋場主将の「選手宣誓」にも、そんな言葉が踊っています。CASAも言葉を大切にし、プラスの言葉を使うよう心がけています。今朝、咲き始めた私道のスイセンに、「きれいだね」「ありがとう」「風に負けるなよ」と声をかけました。
前回のブログからちょうど1週間、強風の中で咲き始めたスイセンの写真を載せておきます。
小沼 好宏