目標の大切さ

2025/01/13

新年の箱根駅伝に始まり、大学生・高校生のスポーツが盛り上がり、この1週間にサッカー、バレーボール、ラグビーなどの大会が大詰めを迎え、今日、大学ラグビーと高校男子サッカーの決勝戦が行われました。大学4年生や高校3年生は今回が最後の夢舞台、そこに学生スポーツの何とも言えない思いが伝わってきます。彼ら・彼女らは、この夢舞台を目標に、コツコツと努力を積み上げてきたのでしょう。

CASAに来てくれた子どもたちにも、「今年の目標はなあ~に?」と聞いてみました。受験生たちは「入試の合格」、スポーツをしている子どもたちはそれぞれの「スポーツが上手になること」、ピアノや習字を習っている子たちも同様です。その他には「朝早く起きる」「好き嫌いをなくす」「○○君と仲良しになる」などがありました。「ない」と言う子もいましたが、みんな何でもいいので「今年の目標」を持って生活して欲しいと願っています。

そんな中で、昨年暮れからマレーシア人のご両親を持つ小学3年生のSさんと保育園児(6才)のN君という姉弟がCASAに来てくれるようになりました。初めて会った時にビックリしました。Sさんは同級生と話す時は日本語で、弟さんと話す時にはミャンマー語(私にはまったくわからない)やきれいな英語で話しているのです。Sさんに尋ねると「ミャンマー語、日本語、英語、韓国語の4ヵ国語を話せます」と。夕方、迎えに来たご両親といろいろな話をしました。お父さんは、結婚する前に日本にいた経験もあり日本語はかなり上手で、お父さんの話では、Sさんが4ヵ国語を話せるようになった理由は、「彼女が小学1年生の時に日本に来ましたが、全く日本語を話せませんでした。私たちも忙しくて娘の相手をあまりできませんでした。彼女の第一の友達はYouTubeでした。ミャンマー語のYouTubeは少ないので、日本語・英語・韓国語のYouTubeをいろいろ見ているうちに言葉を覚えました」とのこと。

「思う力とその可能性」に感心し驚きました。Sさんは異国に来て友達も全くいない中で「日本語を覚えたい」という明確な思い(=目標)があったのでしょう。その手段としてYouTubeを活用し、日本語だけでなく英語と韓国語も身に着けてしまいました。彼女の潜在的な能力と計り知れない努力もあったのでしょうが、ここに目標を持つことの大切さがあると言えるでしょう。SさんとN君はその日のうちに、CASAのルールであるニピピ(あいさつはコッ! くつはタッ! かたづけはカッ!)を覚えて、きれいに後片づけをして笑顔で帰っていきました。数日後、玄関でくつをピタッと揃えて、「こんにちは!」と大きな声とかわいい笑顔で現れました。

CASAの今年の目標は、新たな出会いを楽しみにしつつ、ここまで培ってきた人たちとの信頼関係をさらに継続しながら運営していくことです。

小沼 好宏

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