ここ数日、フジテレビの報道を巡る問題でメディアが大きく揺れています。その中で、「あれ?」っと気づいたことがあります。「ACジャパン」のCMを多く目にするのです。そこで「ACジャパン」について調べてみました。「ACジャパン」とは、「様々なメディアを通した公共CMの制作と放送を通じて、公共性の高い啓発活動を行っている公益社団法人」で「ACジャパンのCMはあらかじめ放送局に納めておき、震災などの有事の際に一般企業が自社のCM放送を自粛する場合にその代わりにACジャパンのCMが放送される」そうです。今回はフジテレビの問題を受け、一般企業がフジテレビでのCMを自粛したため「ACジャパン」のCMが増えているのです。
「ACジャパン」のCMは約20種類用意されているそうですが、私には
「子ども食堂」のCMが印象に残っています。「子ども食堂」は2010年頃に誕生し、CASAをオープンした10年前に西東京市の「子ども食堂」の立ち上げに関わったことがありますが、まだまだ小さな芽でした。それが今では大きく羽ばたき・花開き、日本全国で展開されるようになっています。
当初の「子ども食堂」は「貧困の子どもたちのための」という枕詞がついていました。私にはそれがとても気になっていました。今回の「ACジャパン」のCMでは、俳優の松重豊さん(「孤食のグルメ」というテレビ番組で「一人で食べる孤食の役」を演じています)が、「子ども食堂ってどんなところだろう?」と「子ども食堂」を訪ね、食事中の子どもたちに「ここいいかな?」と尋ねると、子どもたちが「どうぞ!ぞうぞ!」とみんなの席に招かれ、一緒に食事をするという内容です。これを見て「良かったなぁ~」と感じました。
「貧困の…」の枕詞がなくなり、「あなたの食堂」「みんなの居場所」という色合いが出ていたからです。
CASAをオープンする時に、「貧困の…」という枕詞について仲間と議論をしました。その結果、
CASAは「貧困…」ではなく「世の中一般=普通で行こう!」と決めました。何か特定の枕詞をつけてしまうと活動が限定されてしまうと考えたのです。確かに「貧困」などで苦しんでいる子どもたち(人たち)へは支援の手が必要です。しかしCASAは、「貧困な子も、裕福な子も、いろいろな子が一緒の時空でいろいろな経験を共有する中で育っていくことを目ざそう!」と決めたのです。その表れの1つが「活動の4本柱」です。「ワイワイ広場」「ワイワイ部活」
「ワイワイ食卓」「ワイワイ学校」の4つの活動ですが、当初の「子ども食堂」に該当する食べる活動は「食堂」ではなく「食卓」と名づけたのです。ここに
CASAのこだわりがあります。
CASAの「活動の4本柱」の図を載せておきます。
小沼 好宏